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2006年撮影

2007 フランスユース事情 text by gonzalez
欧州のサッカースタイル

 2007年現在、UEFA(欧州サッカー連名)に加盟している国家は53を数え、その全てにサッカー協会とナショナルチーム(A代表)が存在します。各国家のサッカー協会は、UEFAから少なくともU-17、U-19、U-21という3つの世代別チームを持つことが義務づけられていますが、多くの国家ではさらにU-16〜U-21までの6つのチームを毎シーズン結成しています。欧州では、53の国家がその規模によらず独自の基本的なスタイルを確立しており、U-16からA代表まで各世代に合わせた選手の育成方法、統一されたチーム作りや戦術の伝達が伝統的に行われています。

  例えば、カテナチオで知られるイタリアの守備を特に重視した戦術は、U-21やU-19チームでも同様の特色をみることができます。昨年仙台カップに出場したフランスチームを見ても、A代表と同様にディフェンダーと守備的ミッドフィルダーには長身、または体格がよくハードワークで相手選手を体をはってでも阻止することができる選手をおき、安定した守備からゲームメークを始めるというスタイルを徹底しています。フォワードにはスピードがありシュートを打つ技術が高い選手をおき、ボールを奪ったら一気に速効をしかけるために、攻撃的ミッドフィルダーにはパスセンスが高い選手をおいて時間をかけずに相手ゴール前まで素早く攻め込む戦術です。欧州では、一世代のサッカーを見ることで、その国の伝統的なサッカースタイルを知ることができます。
ユース世代の欧州選手権

 今年からFIFAが主催する国際大会の名称が変更され、隔年で開催されるユース世代の国際大会もU-17、U-20ワールドカップと名称が統一されました。
 一方、欧州内の国際大会としては、4年に一度開催されるA代表のEURO欧州選手権が有名ですが、この他に3つの世代別欧州選手権が開催されています。U-17、U-19といった2つのユース世代とU-21の欧州選手権です。
 U-17、U-19欧州選手権は毎年開催されており、欧州のサッカーシーズンが開幕する9〜10月に欧州各地で1次予選を行い、約半数の28チームが翌年3〜5月に開催される2次予選へ進出します。2次予選は、欧州各地で1グループ4チームに分け開催され、各グループの1位7チームだけが本大会に進めます。
 本大会のU-17欧州選手権は5月初旬、U-19欧州選手権は7月下旬に開催され、2次予選を勝ち抜いたチームにホスト国を加えた計8チームで本大会を行い、各世代の欧州王者を決定します。
 毎年8〜9月に開催されている仙台カップは、欧州から参加するチームにとって、10月に開催されるU-19欧州選手権1次予選を控えた最終調整の場として非常に意味のある大会となっています。
 また、U-21欧州選手権は隔年開催されており、今年の大会から本大会をこれまでの偶数年から奇数年に変更して開催しています。この大会は、U-21で予選を開始しますが、本大会は2年後に開催さるため実際はU-23チームの大会になります。

仙台カップ2006 U-18フランス代表のその後

 昨年、惜しくも最終戦でブラジルに敗れ仙台カップ優勝を逃したU-18フランス代表は、翌月10月にはデンマークで開催されたU-19欧州選手権1次予選に出場しました。仙台カップに出場した選手18名のうち3名だけを入れ替えたフランスは、フィンランド、マルタに連勝し早々と2次予選進出を決めると、ホストのデンマークも1−0で敗り、3戦全勝で2次予選へと進出しました。
 今年に入りU-19となったチームは、5月にイスラエルで開催された2次予選ではポーランドとスロバキアと対戦。初戦でポーランドを3-1で難なく倒したものの、2戦目のスロバキアに0−1でまさかの敗戦を喫してしまいます。後がなくなったフランスは、近年ユース世代で力をつけてきているホストのイスラエルに勝つしかなくなりました。この試合で活躍したのが仙台カップに出場した選手達で、試合開始早々の4分にモネ・パケがゴールを奪うと、続く12分にはウンゴイが追加点をあげます。さらに後半28分にはまたしてもモネ・パケが勝負を決める3点目を決めます。2勝1敗でかろうじてグループ首位に立ち、7月の本大会へと駒を進めます。

 オーストリアで開催された06/07シーズンのU-19欧州選手権には、仙台カップに出場した選手から10名が選ばれ主力として出場しました。この大会は、ユース世代で圧倒的な強さをみせるスペイン、ポルトガルの2強とこれに続く成績をあげているドイツが出場し、非常にレベルの高い大会となりました。
U-19フランス代表は、幸運にもグループリーグではスペイン、ポルトガルと別グループに入り、ドイツ、セルビア、ロシアと対戦することになります。
初戦のセルビアとの対戦では、またしても仙台カップに出場した選手たちが大活躍します。前半23分にPKで先制されると続けて失点し0−2と後手に回ります。しかし、2失点目の直後にエースストライカーのモネ・パケが続けて2点を返し前半を2−2のイーブンで折り返すと、後半6分にゲームメーカーのマロリー・マルタンが決勝点となる逆転ゴールを決めます。その後も、両者が1点ずつを加えモネ・パケはハットトリックを達成しチームの勝利に大きく貢献しました。
2戦目は、グループリーグで最も手強いと思われるドイツと対戦。この試合でも仙台カップ出場選手8名がスタメンに名を連ねます。試合は前半5分にドイツに先制を許してしまうと、後半18分にはダミアン・プレッシが2枚目のイエローカードで退場してしまいます。劣勢のまま迎えた後半27分、フランスはコーナーキックから執念のゴールを奪い、1−1のドローに持ち込みます。
グループリーグ最終戦のロシア戦は、勝つか引分ければ決勝トーナメントへ進出が決定します。この試合は、手堅く0−0のスコアレスドローでしのぎ、グループリーグ2位で決勝トーナメントへ進みます。

 準決勝の相手は、前大会王者のスペイン。ユース世代では絶対的な強さをみせる最強の王者相手にフランスが決勝進出をかけて挑みます。キックオフからスペインに立て続けに攻め込まれますが、22分にようやくモネ・パケがゴールを狙うもGKにセーブされます。その後は一進一退の攻防を繰り広げ、後半に入ると試合は激しさを増しイエローカードがとびかいます。90分を終えても両チームともスコアレスで、前後半15分ずつの延長戦へ。延長戦に入ると試合はさらに激しさを増し、120分間で両チーム合わせてイエローカード10枚、レッドカード1枚が飛び交う荒れた試合となります。結局120分間での死闘でも決着はつかずに勝敗はPK合戦にゆだねられます。両チーム2人目まで決め、先攻のスペインが3人目を決めますが、フランスは3人目と4人目が連続で失敗し万事休す。最後まで王者スペインを苦しめるもここで力尽きてしまいます。
仙台カップ2006に出場したフランスユースチームは、欧州53チームの中で3位という好成績をおさめ今年7月に解散しましたが、欧州サッカーはまだまだ続きます。この世代の次の目標は、2009年に予選が始まる09/11シーズンのU-21欧州選手権です。

 

U-17,U-19欧州選手権の戦績
1990年以降のフランスユース代表の戦績

U-17欧州選手権(90/91〜06/07シーズン)
スペイン:優勝:5回、準優勝:4回、ベスト4:3回
ポルトガル:優勝:4回、ベスト4:3回
フランス:優勝1回、準優勝3回、ベスト4:4回

U-19欧州選手権(90/91〜06/07シーズン)
スペイン:優勝5回、準優勝1回、ベスト4:4回
ポルトガル:優勝3回、準優勝2回、ベスト4:2回
フランス:優勝3回、準優勝1回、ベスト4:1回



▼過去大会のフランスユース事情

□仙台カップ2006 フランスユース事情