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■クロアチア――美しい自然と街並み
「クロアチア」と聞いてもイメージがわかない人も多いかもしれません。そこで簡単にクロアチアという国について紹介しましょう。
正式な国名はクロアチア共和国(Republic of Croatia)。1991年に旧ユーゴスラヴィアから独立しました。人口は444万人、面積は5万6542km2で、九州の約1.5倍、イタリアの約1/6にあたります。首都はザグレブ。クロアチア人が人口の約90%を占めます。世界地図を見ると、イタリアとはアドリア海をはさんだすぐ隣に位置します。
クロアチアの魅力、それはアドリア海に浮かぶ島々やプリトヴィッチェのような美しい自然と情緒豊かな町並みがたくさん残っていることです。また、夏になるとアドリア海には海水浴と美味しい海の幸をもとめてヨーロッパ各地から大勢の人たちがバカンスに訪れます。
クロアチアの代表的な観光スポットといえばドブロブニック(Dubrovnik)です。アドリア海に浮かぶレンガ色の旧市街地は、その街並みの美しさから「アドリア海の真珠」とうたわれました。アニメ映画「魔女の宅急便」の舞台にもなり、世界遺産にも登録されています。クロアチア最大の観光スポットです。私は昨年初めてクロアチアを訪れましたが、とても素敵な国でした。
プリトヴィッツェ湖畔国立公園(Plitvice Lakes)も一度は訪れてみたいところです。森の中に突如あらわれるエメラルドグリーンの水辺の美しさは訪れた者を癒してくれます。
この他にも、アドリア海に面したイストラ半島のプーラ(Pula)やロヴィニ(Rovinj)、アドリア海に浮かぶ大小の島々など、クロアチアには美しい自然と街並みがいくつも残っています。以下に、その美しい風景写真を閲覧できるサイトをいくつかあげておきます。
クロアチア観光協会
http://www.croatia.hr/
「アドリア海の真珠 ドブロブニック」
http://www.croatia.hr/destinations/Listing.aspx?Id=40&Index=13
「プリトヴィッツェ湖畔郡」
http://www.croatia.hr/destinations/Listing.aspx?Id=332&Index=23
「プーラのコロッセオ」
http://www.croatia.hr/destinations/Listing.aspx?Id=342&Index=12
■クロアチアサッカー――代表の歴史
欧州選手権EURO96イングランド大会 ベスト8
クロアチアは1991年に旧ユーゴスラビアから独立したばかりの誕生してまもない国です。 しかし、サッカーになると話は別。クロアチア代表として世界大会への参加が認められるようになってからは、2000年の欧州選手権以外は全て出場し好成績を残しています。
クロアチア代表として国際大会への参加が認められた「欧州選手権EURO96イングランド大会」では、予選からイタリアと同組になるという試練が待っていました。当時のイタリア代表は、ロベルト・バッジォ、パオロ・マルディーニといったスーパースターを数多く要し、同年USAで開催されたワールドカップ94で準優勝に輝いたばかりの大国を相手に、初参加のクロアチアが劣勢に立たされることは想像に難くありませんでした。しかし、大方の予想を覆しアウェイでイタリアを1-2でくだすと、ホームでも1-1と引き分けに持ち込み得失点差でわずかにイタリアを上回り首位で本大会への切符を手にします。
イングランドで開催された本大会では、グループリーグ初戦でトルコをくだすと、その勢いで前大会優勝国デンマークを3-0でくだし、ポルトガルに次ぐ2位で予選を突破します。決勝トーナメント1回戦ではドイツに対して善戦するも1-2で敗れベスト8で大会を終えます。
初めての国際舞台でのクロアチアが残した好成績を「初参加でノーマークだっただけ」と言う人たちもいましたが、この勢いが単なるビギナーズラックではなかったことを2年後に自分たちの実力で証明してみせます。
ワールドカップ98フランス大会 堂々の3位
ワールドカップ98フランス大会はクロアチアサッカーの歴史に大きな1ページを刻む大会となりました。欧州予選では苦しみながらもプレーオフでウクライナをくだし、ワールドカップへの初出場を果たします。余談ですが、この欧州予選のまっただ中の1997年6月12日には、仙台スタジアムでのサッカー国際試合のこけら落としとなる記念すべきオープニングマッチをトルコ代表と行いました。結果は1-1のドローでした。今年の仙台カップは、仙台スタジアムに8年ぶりにクロアチア代表のユニフォームが帰ってくることになります。
欧州予選でこそ苦しんだクロアチアでしたが、チームを支える選手達は黄金期を迎えていました。ACミランでは栄光の10番を背負ったこともあるボバン(Zvonimir Boban)、レアルマドリーの復権を支えたシュケル(Davor Suker)など輝けるタレントがずらりと名を連ねました。
本大会のグループリーグでは、こちらも初出場となったジャマイカ、そして日本代表とも対戦。初出場チームの三つ巴戦に連勝すると1試合を残して予選突破を確定させます。グループリーグ第3戦のアルゼンチン戦では、主力を温存させ敗れはするものの2位で予選を突破。この辺りはEURO96のポルトガル戦と同じく無駄な労力を使わない?クロアチアらしさが出ているのかもしれません。
決勝トーナメント1回戦の相手は全員が頭を金髪に染めて意気上がるルーマニア。しかし試合は凡戦となり、クロアチアが難なく1-0で勝利します。
次の準々決勝は2年前のEURO96で悔しい思いをさせられたドイツとの再戦となりました。グループリーグを首位で突破してきたドイツ相手に苦戦が予想されましたが、両チームとも2年前に対戦した時の選手が多く残っており、その時の悔しさを忘れないクロアチアは果敢にゴールを狙います。俊足ヤルニのゴールで先制すると、エースのシュケルが2ゴールを叩き込み見事にリベンジを果たします。 チームが高齢化してきていたとはいえ優勝候補の一角にあげられていたドイツを破りクロアチアの勢いは増すばかりかと思われました。
しかし、クロアチアの前に大きな壁が立ちはだかります。この大会で最も輝いた選手ジダンが率いる開催国フランスです。この試合でも劣勢が予想されましたが、先制したのはクロアチア。しかし、すぐに同点に追いつかれると立て続けにゴールを許してしまい、そのままタイムアップ。初出場で初優勝というクロアチアの大望は砕かれました。しかし、3位決定戦ではブラジルにPK負けを喫し失望したオランダに完勝し、初出場ながら堂々の3位に入賞します。
2002日韓ワールドカップではグループリーグ敗退
前途洋々と思われたクロアチアでしたが、フランス大会以降は世代交代がうまくいかず、オランダとベルギーで共催されたEURO2000では予選で敗退し大きな舞台への連続出場が途絶えます。
続くワールドカップ2002日韓大会では、欧州予選を苦しみながらも突破し出場権を手にします。ここでも何かの巡り合わせか、グループリーグではEURO96欧州予選で戦ったイタリアと同組にはいります。初戦のメキシコ戦を落としたクロアチアは第2戦のイタリア戦に全てをかけ勝負を挑みます。しかし後半の早い時間にイタリアが先制。ところが粘るクロアチアはオリッチとラパイッチのゴールで見事と逆転で勝利を収めます。イタリアとクロアチアは何か縁があるようです。 イタリアに勝利しながらもグループリーグ最終戦でエクアドルに敗れ、大会から早々と姿を消してしまいます。
昨年ポルトガルで開催されたEURO2004は、予選を苦しみながらも突破しますが世代交代がうまくいっているとは言えませんでした。本大会ではスイス、フランスに引き分けるも、またしても第3戦でイングランドに敗れ決勝トーナメントの道を断たれました。
それでも、小さいながらもサッカー界では大国に引けを取らない実力を持つ国であることに異論はないでしょう。
■クロアチアサッカー――国内リーグ
カズも在籍したディナモ・ザグレブ
クロアチアの人たちはスポーツが大好きです。バスケットボール、ハンドボール、テニス、水球などあらゆる球技が国民から愛されています。その中でも最も人気が高いのがサッカーです。
日本のJ1にあたるクロアチア国内1部リーグの名前は「1HNL」(フルバツカ・ノゴメット・リーグ・1部)クロアチア語でフルバツカ(Hrvatska)はクロアチア、ノゴメット(Nogomet)はサッカーを意味します。
リーグ戦は7月下旬に開幕し、12月〜2月中旬のウィンターブレーク(中断期間)をはさみ5月末頃まで開催されています。
1HNLには12チームが所属し、中でも首都ザグレブに本拠地を構えるディナモ・ザグレブ(D inamo・Zagreb)と第2の都市スプリットにあるハイドゥク・スプリット(Hajduk・Split)が人気を二分しています。両者は実力も拮抗しており、直接対戦は「クロアチアダービー」と呼ばれ町をあげて大変盛り上がります。
国内最大のクラブチームであるディナモ・ザグレブは、以前、三浦知良選手(横浜FC)が所属したこともあり日本でもわりと有名かもしれません。首都のクラブチームだけあって国内屈指の資金力を持っているようです。本拠地マクシミールスタジアムは、ザグレブの中央からトラム(路面電車)で15分ほどの郊外にあり、周りにはテニスコートや陸上競技施設もあります。また、メインスタジアムの周りにはユースカテゴリが使用できる芝生が整備されたコートが何面もあり、平日の午前中からいろいろな年代のサッカー少年たちがプロのコーチから手ほどきを受けています。
昨シーズン、ベガルタ仙台に所属したゴチェ・セドロスキー選手は来日する前にディナモ・ザグレブのキャプテンをつとめており、また昨シーズン途中から復帰しています。
ディナモ・ザグレブに次ぐ実力と人気を持ったチームがハイドゥク・スプリットです。昨シーズンは連覇を成し遂げ、今シーズンは再度UEFAチャンピオンズリーグに予選から挑戦します。ハイドゥク・スプリットの本拠地であるポリュウドスタジアムは、市街地から徒歩で20分ほどの小高い郊外にあります。こちらもまわりには芝生のサブグランドが数面用意されており、ユースカテゴリの選手たちが連日汗を流しています。スタジアムの1階にはファンショップとカフェが併設されており、試合のない日でも夕方になると近所のサッカー好きが集まりサッカー談義に花をさかせています。
この他のチームでは、クロアチア北部のハンガリーとの国境に近い町、ヴァラズディンに本拠地のあるヴァルテクス・ヴァラズディンや第3の都市リエカにあるリエカ、ディナモ・ザグレブと同じく首都ザグレブに本拠地をかまえるNKザグレブなどがあります。
今シーズン2部から昇格したチバリア・ヴィンコブチはちょっとおもしろいチームで、日本でも有名な格闘家のミルコ・クロコップが昨シーズンから所属しておりプロデビューを果たしています。ミルコ・クロコップの出身地が近いことが経緯にあるようです。
このほかリーグは3部まであり、国内には100以上のクラブチームが存在しますが、これはクロアチアに限らずヨーロッパの国々では普通のことです。ヨーロッパでは小さくてもたくさんの町にクラブチームが存在します。
1HNL公式webサイト(クロアチア語のみ)
http://www.prva-hnl.hr/
ディナモ・ザグレブ公式webサイト
http://www.nk-dinamo.hr/
ハイドゥク・スプリット公式webサイト
http://www.hnkhajduk.hr/
ヨーロッパでの位置
ヨーロッパのサッカー界には現在52の国や地域が存在します。これを統括する欧州サッカー連盟(UEFA)のランキング上位は、スペイン、イングランド、イタリア、ドイツなどの大国が占めています。
この中で、昨シーズンのクロアチアの順位は23位と決して高くありません。世界の大舞台で活躍を続けるクロアチア代表とは異なり、国内のクラブチームは残念ながらヨーロッパの舞台でそれほど大きな結果を残せていないのが原因の1つでしょう。
これは、代表クラスの選手は、より良い環境を求めて若いうちに国外に移籍してしまうことが問題の1つです。若い有能な選手の夢は、決して恵まれているとは言えない国内リーグの環境から抜け出し、イタリアやドイツの華やかな舞台で活躍することです。
ただ、逆に10代後半のプロデビュー間もない選手たちにとっては、トップチームでの公式戦に出場するチャンスは大きくなります。
クロアチアのサッカーについて、なんとなくイメージしていただけたでしょうか? 次回はいよいよ本題であるクロアチアユース事情に触れていきます。 |