いよいよスタートする第3回仙台カップ。どのチームも例年以上にテンションが高く、戦力も充実。本番では白熱した戦いが期待される。9月13日、仙台市内で行なわれたレセプションパーティの模様と出場選手・監督の肉声を中心に、大会の見所を最終チェックする!!
ズバ抜けてデカイ“東欧のラテン”
クロアチアが大会を席捲する!?
とにかくデカイ。それがクロアチア代表の第一印象だ。この恵まれた体格に伝統のテクニックが加われば……と思わず凄まじいプレーを想像してしまう。4チーム中最も小柄な東北代表の選手と並ぶと、「大人と子ども」の感さえ漂う。
今回が初来仙となるクロアチア。まずは、大柄な選手に囲まれた小柄な指揮官、イワン・グルナ監督に大会への意気込みを伺った。
――今回が初の仙台カップ参加ですね。
「来日自体は2回目なのですが、仙台は初めてですね。誘っていただいて、とても感謝しております。来る前から非常に楽しみにしていました」
――コンディション面はどうですか。来日は本日(9月13日)ですが、疲れは?
「諸々の移動で24時間かかりました。国内では、バスで空港へ、そして長時間のフライト、そしてバス……(苦笑)。仙台に着いて、公園で少しだけ練習をしました。まだ着いて間もないのですが、非常に良い街だな、という印象です。すべてにおいて素晴らしい!」
――今大会での目標は?
「来年のU―19ヨーロッパ選手権に出場するのがこのチームの目標。1次予選(10月3日から)に向けた強化という意味合いがあります」
――仙台のファンへのメッセージをどうぞ!
「日本サッカーは組織力を熟成して、ここまで発達してきましたよね。日本人プレーヤー個々のクオリティの高さも、クロアチアではよく知られているところです。私たちも日本代表と同様、フェアプレーの精神を守り、素晴らしいサッカーをお見せしますよ!」
さすがは高度な「組織力」と「個人技」が融合された国。日本の長所もよくご存知だ。本大会でもフェアプレーの精神でもって(あまり熱くならずに――熱くなるとホントに怖いんです、クロアチア!)、その卓越したスキルを披露して欲しい。
さて、グルナ監督に「次は選手をインタビューしたいのですが」と伺うと、「うむうむ」とうなずき、そしてツカツカと立ち去り、またツカツカと戻ってきた。監督の小さな背中の後ろでは、大きな青年が大きな瞳でこちらを見下ろしている。
そう、クロアチア代表のキャプテン、イゴル・プラヒッチ選手(背番号5/1987年4月15日生/189cm・76kg)の登場だ! 柔和な表情が印象的な、なかなかの好青年である。
――所属クラブは?
「バルテクス・バラジンです。ポジションはDFで、余り気味にプレーします」
――リベロ(Libero)?
「YES,YES(と笑う)」
……リベロ、ということは、古典的な3バックか。3−5−2か……。しかし、システムの話を突っ込むも交わされたので、話を先に進めてみる。
――今回の目標は?
「良い契約を取り付けること、なんて冗談だけど(爆笑)」
――オイオイ(笑)。日本代表の選手を実際に見たわけだけど、どう思った?
「ブラジルはどの世代でも強いから、まず今回のチームも強いよね。ロナウジーニョやロナウドの小さいバージョンがゴロゴロいる(笑)。日本の皆さんも僕たちを見るときに『若いシュケルだ』とか『若いボバンだ』って思うのと一緒かな。日本は実際にプレーを見たことがないから分からないなあ。ただどの選手もエネルギーがある感じがするよね。たぶん、どの選手も凄くスピーディなんじゃないかな」
――憧れはシュケルやボバンの世代?(※1998年フランス・ワールドカップ3位入賞。二人とも現役引退)
「ボバンとトゥドール(現代表/セリエA・シエナ所属)」
――チームの雰囲気はどう?
「最高さ! 仙台の皆さんが良い雰囲気を作ってくれれば、僕たちも素晴らしい試合をします! 大会の目標はもちろん優勝です」
チームの雰囲気もU−19ヨーロッパ選手権に向けて良好。大会へのモチベーションも高い(繰り返すけど平均身長はメチャクチャ高い!)。“東欧のラテン”を日本代表、東北代表がどう突き崩すのか――とりわけ、セットプレーでの攻防には注目だろう。
クロアチアのプレーが実に楽しみだ。
“王国”は扇子に興味津々
日本代表との寿司戦争勃発!?
レセプションパーティも終盤に差し掛かった頃、大会公式HPのブラジル情報でもおなじみ、mengo氏と対面する。実は、私(鈴木)とmengo氏との間には共通の友人(私のサッカーダイジェスト時代の同僚で現在はサンパウロに留学中)がおり、その友人の話で盛り上がる――とすぐさま、話題はやはりサッカーへ。
何でも若きセレソン(ブラジル代表の愛称)は日本代表の面々に腹を立てたそうだ。ブラジル側のブースとは反対側(つまり一番遠い側)にあるブースには、誰もが箸を伸ばしたくなる「寿司コーナー」があり、ヤングセレソンは楽しみにしていた……のだが、ここは東北代表とクロアチア代表の“陣地”。おまけに日本代表の面々の“速攻”もあり、寿司はいつの間にか売り切れ。「俺たちの寿司がない!?」と激怒したようなのである。
さてそんな可愛い(?)一面もあるU−18ブラジル代表だが、メンバーは昨年以上に充実しているようだ。諸事情によりベストメンバーを組めないという問題は相変わらずだが、それでもかなりの面子を揃えてきた。
ここではmengo氏も一押しのキーマン、ボランチのジ・パラナ選手(背番号5/1987年6月11日生まれ/171cm・70.3kg)をキャッチ!! ブラジル屈指の名門コリンチャンスでレギュラー争いを繰り広げる若き実力者に――食べかけのスパゲッティの皿を持ってもらいながら――直前の抱負を聞いた。
――目標とするボランチは?
「ゼ・ロベルト(ブラジル代表/バイエルン所属)です」
――仙台の街はどうですか?
「去年ここでプレーしているので、よく知っています。街の中を買い物したりしたので。去年はニューワールドホテルに泊まったので、隣にあったブッダが印象的だったなあ」
――今大会の目標は?
「18歳以下の代表にとってはこれが最後の大会。是非ともタイトルを獲りたいですね。クロアチア代表はまったく見たことがないから何も分かりません。でも日本代表の中には去年対戦した選手もいるから、何人かは知っていますよ」
――自分のここを見て欲しいというアピールポイントはどこですか?
「左足のキック!」
ジ・パラナ選手が目標とするゼ・ロベルトは、左のラテラル(ウイング的ポジション)でも、ボランチでもプレーできる、中盤のユーティリティプレーヤー。クラブでも、セレソンでも重宝されている選手であり、左足から繰り出される長短のキックは実に正確だ。
日本代表、東北代表にとって、ブラジルの圧倒的な攻撃力を抑えるためには、中盤での攻防がカギとなる。セレソン中盤のキーマン、ジ・パラナ選手のパスをどう封じるかが見所となるのではないだろうか。
ちなみにmengo氏いわく、ジ・パラナ選手には“ロベカル風”の強烈なFKという武器もあるようだ。こちらも必見である。
いずれにせよ、いよいよ本日開幕となる仙台カップ。ここに挙げた2選手だけでなく、ブラジル、クロアチアからは数多くのタレントが杜の都に集結した。
もちろん、日本代表、東北代表の活躍にも期待したい。一人黙々と寿司ブースに張って、寿司を食べ続け、「寿司戦」ではブラジルに勝利した日本代表FW森本(東京V所属)のゴールハンターぶり、レセプションパーティでは旧交を温めていた日本代表・吉田監督、森保コーチ、東北代表・清水監督の「采配対決」などなど、見所は盛りだくさん。
いざ、世界へ――。キックオフの瞬間が刻一刻と近づいている。
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