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セレソンの貴公子から仙台カップへのエール
カカ(ブラジル代表/ミラン/MF)

1982年生まれ。ブラジル代表。MF。名リカルド・イセコン・ドス・サントス・レイテ。サンパウロ―ACミラン。2002年日韓ワールドカップ優勝。セリエAを代表する最強セカンドトップ。力強いドリブルと卓越したパスセンスでACミランとブラジル代表の主軸を担う。ドイツ・ワールドカップでも活躍も期待される。

 いまやセリエAを代表する顔の一人となったカカ。常勝軍団ミランに欠かせない存在である彼は、来年のドイツ・ワールドカップで連覇を目指すセレソンでも必要不可欠なセカンドトップだ。

 その彼に自身のキャリアを振り返ってもらうとともに、参加選手へのエールを贈ってもらった。U−18世代のときのカカはどんな風にしてスキルを磨いていったのか。仙台カップのような大会の意義とは。そしてフットボールの魅力とは――。

――日本の東北にある大都市仙台で、仙台カップというU−18世代の大会が開かれるんだ。そこで今回はリッキーに若手へのアドバイスとか、いろいろと聞きたい。ファンならばみんな知っていることも含めてね。

「オーケー、いいよ」

――まずはサッカーを始めた頃の話から聞こうか。生まれはサンパウロだっけ?

「いや、育ったのはサンパウロだけど、生まれたのはブラジリアなんだ」

――どんな家庭で育ったのかな。

「父はエンジニアで母は教師だった。子どもの頃、気がつけばボールを蹴り始めていたよね。家からサンパウロFCの練習場まではすごく近かったから、8歳のときにクラブへ入団したんだ。練習が終わると友だちをたくさん連れてきて、母の料理を一緒に食べたよ。僕のキャリアのすべてはサンパウロから始まったんだ」

――子どもの頃のヒーローは?

「繰り返すけど、僕はサンパウロのファンだからね! ライーやレオナルドのプレーには憧れたよ。それと今は亡きF1ドライバーのアイルトン・セナにもね。彼らの背中を追いながらボールを蹴り続けたって感じかな」

――そしてプロデビュー。

「一気に話を端折るね(笑)。僕にもいろいろと大変なことがあったんだよ」

――確かに2001年のプロデビュー戦。ボタフォゴとのリオ・デ・ジャネイロ・カップ決勝が君のデビューだけど、ブラジル中が「誰だコイツは?」と驚いたみたいだよね。

「『こんな誰も知らない選手を使うなんて監督は狂ってる!』とかね(笑)。僕はその前年にプールの床に頭をぶつけて、危うく身体全体が麻痺するところだった。それでリハビリしていたから、ノーマークだったのかも」

――そのプール事件の後、神への感謝を常に忘れなくなったとか。

「うん。良いときも悪いときもね。神をすごく身近な存在として感じるようになったというか、神の存在が精神面のよりどころとなった。とにかく苦しいときに何を信じて、踏ん張れるか。これが重要なんだと思う。サッカーにおいてメンタリティはとてもとても大切な要素だから」

――さて、仙台カップにはU−18の各代表が集うんだ。ブラジル、クロアチア、日本、東北とね。彼らへのアドバイスがあるとすれば是非とも教えて欲しい。

「10代の頃はそんなに昔じゃないけど(笑)、とにかく一生懸命にフィジカルを鍛えた記憶がある。サンパウロのトレーナーのもとで肉体改造に取り組んだし、その結果が今、セリエAで生かされていると思う。いくつになっても学び続けなければいけないと信じて、練習でも手を抜かず、一生懸命に走ってきた。この当たり前のことを当たり前にできるかどうかが、トップレベルでの“差”につながるんじゃないかな。もちろん、僕はまだまだ勉強中さ。サンパウロのチームメイトからはいろんなことを学んだし、それはミランに来てからもそう。セレソンでも同じこと」

――それにしても、君のようなトッププロになるためには様々な苦労があったのでは?

「何かを失い、何かを得る。何かを得ようと思ったら、何かを失う。どの仕事でもそうでしょ? とにかく物事はそんなに上手く運ばないもの。自分のやるべきことを信じて、一生懸命にハードトレーニングしていくしかない。僕自身、昔はペナルティエリア内でのプレーが得意だったけど、ミランに来てからはミドルの精度が高くなった。繰り返すけど、いくつになっても学び続けなければいけないし、一生懸命に頑張った成果は必ずといっていいほど自分に跳ね返ってくる。努力は自分にウソをつかない。それがサッカーの良いところなんじゃないかな」

――仙台カップの最大の見所の一つがブラジル代表。やはりブラジル独特の攻撃リズムに期待する声が多いけど。

「サッカーで一番エキサイティングなのはやっぱりゴールだよね! 仙台カップではU―18ブラジル代表が出場するから、たくさんのゴールが見られるかも。ブラジルの選手はとにかくハングリーで、絶対に手を抜かない。だから仙台の皆さんもブラジルサッカーのハングリーさ、そして素晴らしいテクニックの数々を楽しめると思うね。クロアチアの選手も技術が高いので、面白い大会になるんじゃないかな」

――では最後にメッセージを。

「この大会に参加するみんなはまだ若いかも知れないけど、これから僕のライバルになる選手ばかり。夢に向かって一生懸命に走り続けて欲しい。たとえ失敗してもそこから得られるものはたくさんあるはずだから。僕もチャンピオンズ・リーグなどで、いろんな痛い目にあって(笑)、それでも前進を続けてきた。僕もミランのシンボルになるという夢、セレソンの一員としてワールドカップを連覇するという夢に向かって突き進んでいくから、みんなにも頑張って欲しい!」

取材・構成/パブロ・サン・ロマン
翻訳/鈴木英寿

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